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精油とホルモンの関係
私たちの体の中では分子レベルで化学変化が起こっていて、それには酵素が必要不可欠ということで酵素について少し説明をしました。
今回は、私たちの体の代謝・成長・感情・睡眠・生殖などを調整するホルモンと精油の関係についてご説明します。
ホルモンとは?
内分泌腺(例:脳下垂体、副腎、甲状腺、性腺など)から分泌される化学物質で、血流に乗って全身の様々な器官に作用します。
女性ホルモン、男性ホルモンはよく聞くかもしれませんね。
ホルモンと精油がどう関係しているのか??
芳香成分はホルモン分泌の中枢である視床下部に信号を送り、間接的にホルモンバランスを調整する可能性があるんです。
また、一部の芳香分子は、体内のホルモン受容体に構造的に似た分子として結合(模倣)することがあります。
例えば、ホルモン様作用のエストロゲン様やアンドロゲン様です。
ホルモン受容体って??
ホルモン受容体は、細胞の表面または内部にある特定のホルモンだけを認識して結合するタンパク質です。
結合することで細胞に「スイッチオン」の様なシグナルを送り、遺伝子発現やタンパク質合成、代謝などを変化させます。
遺伝子発現・・・タンパク質合成・・・細かなことはここでは置いておいて・・・
女性更年期障害で例えてみると・・・
更年期では、
1、卵巣の機能が低下しエストロゲン(女性ホルモン)の分泌量が減少します。
2、その結果、ホルモン受容体は「エストロゲンの信号が来ない!」と感じます。
3、すると体は混乱し、ホットフラッシュ、気分変動、不眠、骨量減少などの症状が出ます。
先ほど出てきた、「スイッチをオンにしてくれる人(=ホルモン)が来ないので、装置(=受容体)が動かない状態なんですね。
ここで精油の芳香成分の登場です!!
例えば、クラリセージに含まれるスクラレオール。
この成分は構造的にエストロゲンに似ていて、エストロゲン受容体に結合することができます。
結合すると、受容体は「ホルモン信号だ!!」と認識してスイッチオン!のシグナルを細胞に伝えます。
これにより一時的にホルモンのような作用が起こり、症状の緩和が期待できます。
例えるなら、
電気が来なくて動かなくなっていた機械に形の似た予備バッテリーを繋げてなんとか作動させた
様なイメージです。
更年期の不調は、ホルモンが減ることによる信号不足です。
これを精油の成分が一部のホルモン受容体に結合できると、その信号不足を補う手助けになる可能性があるんです。
ただし!
精油成分は医薬品ホルモンの様に強く作用するわけではありません。
また、ホルモン感受性疾患がある方は、精油による擬似ホルモン作用にも注意が必要です。
注意して正しく使用することで、精油は体へ働きかけ不調を軽減するサポートにも役立てることができるんです♪
更年期障害に限らず、日常でのストレス、緊張、集中したい、免疫力を上げたい、踏ん張り所、試合前後など様々なシーンで使用することができます。
精油ってすごいんです!